INTERVIEW

2016キービジュアル完成 原案・太田貴彦インタビュー

1年を通して使われる事務局のキービジュアルは、昨年よりファッションスクールで学ぶ学生から原案を募集し、決定後はプロのデザイナーとの共同作業を経て、ポスターとフライヤーに落とし込んでいる。 2016年度のキービジュアル原案に選ばれたのは、文化学園文化ファッション大学院大学の学生、太田貴彦さん。もともと大学の理学部を経て文化服装学院に入学、続けて文化ファッション大学院大学(以下BFGU)に進んだという太田さんの原案は、尿素の結晶を使って表現したものだった。「人生は実験だ!」というのが座右の銘という太田さんのインタビューと併せて、キービジュアル制作の過程を追った。

―テーマはどのようにして浮かんできたのですか?

「もともと自分の中で思っていた“人生は実験だ!”をテーマにしたのは、私生活でも学校生活でも失敗ばかりしていたからなんです。とにかく実験なら失敗は当たり前なので。自分を奮い立たせるためでもあるのかな? それをコンテストに生かせないか、と考えました。なぜなら行動や内容を変えていかないと、実験結果は一緒になってしまうので。何か違うことをしないといけないとも思っていました」

初のミーティング風景。左からアートディレクターの近藤茂樹さん、WEBデザイナーの今北 舞さん、一番右が太田さん。

―受賞した時の気持ちを教えて下さい。

生意気なようですが、コンセプトや見た目の面白さで、絶対にいけると思っていました。でも強気だったにもかかわらず、アートディレクターの近藤茂樹さんとウェブデザイナーの今北 舞さんとの初めてのミーティングでは、本当に緊張してしまって。事務局のかたが、事前にお二人に僕の原案を送ってくれていて、それをベースに近藤さんからの新たな提案があったのですが、それがまた自分が考えていたこととぴったりで、さすがプロ!と思いました」

太田さんの原案。 1/2サイズのトルソーをベースに制作した。

-具体的には、
どのような変化がありましたか?

「原案は1/2サイズのトルソーにシンサレートを巻いて、それもジャケットのラペルを思わせるようなラインにカットしてピンで留めつけて。そこに水性カラーで色をつけ尿素を吹き付けると、水性カラーと共に尿素の結晶が育つのですが、実際には、やってみなければ分からないという部分が大きくて。それで近藤さんから、女性の腕との合成で服を着ているようなイメージで表現してみるのはどうかという提案があって、なるほど!と。またもともとは多色使いでしたが、色使いも赤1色に絞ることになりました」

―撮影前に、実験日を設けましたね!

「実験日であり練習日でした。原案から、結晶が出来ることは分かるけれど、それがいったい何時間かかって、どのように出来上がって変化するのか? というのがきちんと説明できない、ということが分かり(笑)。それで撮影場所にもなるスタジオで、撮影日の数日前に実験をさせてもらったんです。これが本当に良かった。材料選びも根本から見直して、カメラマンのかたに途中経過を撮影してもらうと、ますますイメージが湧いて」

1.撮影前の実験開始!ビーカーやジョウゴをなぜ持っているのか不思議に思っていたら、「僕、理系なんです」と告白。

2.固定したシンサレートの上に水性インクを塗って行く。という作業が、このような作業であることを事務局スタッフは知らなかった!

3.結果、手が真っ赤に。この方法で本当にいいのか?と、疑問を持ち始めたのは事務局スタッフだけで、太田さん本人は「こんな感じです」と動じない。本当?

4.途中経過。赤く染めたものに尿素をふきかけて、結晶が育つのを待つ。一休み。

5.近藤さんと今北さんが到着。初めて見る実物にビックリしつつ見入る二人。素材の見直し、表現方法に関してアドバイスを受ける。

6.今日のところは、この仕上りで!この実験アイテムが撮影日までどのように育つかは未知だけれど、念のため、保存することに。

7.シンサレートだけでなく、綿や毛糸、紙といった素材にも尿素を吹き付けて実験! これも保存。

8.この日の実験には、撮影をお願いしている土屋カメラマンも同席。実験サンプルの搬出お手伝い、ありがとうございました!

-当日の撮影はどうでしたか?

「もともと写真が好きなんです。だから撮影の現場にとっても興味があって嬉しかった。ストロボの置き方とかレフ版の使い方とか、作業をしながら横目で見ていました。本番の仕込み作業はほぼすべて自分ひとりで行ったのですが、上手くいかなかったらどうしよう。。。と内心ドキドキでした。撮影全体を見ると、やはり共同作業であって、自分が考えたアイディアが人を介して良い方向に変化していくのが面白かったです」

―キャッチコピーにも力が入りましたね。

「原案提出のときに考えていたキャッチをアレンジして、撮影当日に持って行きました。ファッション、実験、ワクワク、ドキドキ、その4つの言葉の組合せを少しずつアレンジして考えた15個から本番用のキャッチに絞り込みましたが、いろんな人の意見を聞きながら決めたので納得のキャッチです」

1.撮影当日!実験日に予想外に時間がかかったことを踏まえて、早めの集合!素材の準備も抜かりない。

2.実験サンプルは保管庫ですくすくと育っていた!嬉しい!ということで、まずはこれを設営。

3.新たに2枚のサンプルを同時制作。実験日の経験が功を奏して、スタッフのチームワークも抜群!

4.合成をするための腕の撮影も同時進行で。太田さんの同級生のゴ ケイジさんがモデルに!

5.今北さんが手に動きをつけていく。

6.撮影無事終了! 3人でジャンプ!

―この経験から次に、何に取り組みたいですか?

「2016年を通してこのビジュアルが使われることは光栄です。服はこれからが本当のチャレンジと思っています。この経験を生かして、服でも結果を出したいです。コンテストにも前向きにチャレンジして経験を積みたいですし、来年の春には卒業ですから、BFGUの卒業ショーに選ばれることも大切!と思っています」

TOKYO 新人デザイナーファッション大賞 アマチュア部門

TOKYO新人デザイナーファッション大賞に
関する概要と応募要項はこちら

INSTAGRAM

トップへ