INTERVIEW

ファイナリストインタビュー Vol.3 2016年度 大賞受賞 ファン ティ カム トゥ

去る10月19日に決定した大賞、優秀賞、秀作賞の受賞者計7名に、同じ質問を投げかけた連載インタビュー。彼らの言葉そのままに、受賞の声をお伝えします。トップバッターは大賞を受賞したファン ティ カム トゥさん。ベトナムから日本に留学し、上田安子服飾専門学校で学んでいる彼女が紡ごうとしている未来は、とても優しく崇高です。

渋谷ヒカリエのホールAにて行われた結果発表ショー

―Q1. 改めて、受賞した気持ちをお聞かせください。

大賞が発表されたとき、自分の名前が呼ばれ、自分の耳を疑うほどとてもびっくりしました。本音で言うと他の受賞者の作品が素晴らしかっただけでなく、catwalkパフォーマンスもとても素敵だったからです。会場にいらしていた観客の方々もほぼ日本人でしたので、とても緊張していました。審査員長のコメントを聞いてから、少しずつ落ち着き、自分の作品が認められて嬉しい気持ちで胸がいっぱいでした。

―Q2. 作品制作で工夫したところ、大変だったことなど教えて下さい。

最初の一歩がいつも難しい。自分のコンセプトにふさわしい素材を探すことに結構時間がかかってしまいました。色々探した結果、ついに自分が想像したとおりの陶器のような質感を持つ素材を見つけることができました。けれど、その素材ではフォルムを作りだすことがうまくいきませんでした。そのため、色々な素材でもう一度試しました。最も苦労したのは、割れた陶器のかけらのように裁断したパーツを、刺繍とニッティグの技法で縁取りながら組み合わせることでした。作品が完成したとき、できるだけのことはやったのでとても満足でしたが、審査会前のフィッティグや運搬で服のフォルムが歪んでしまったりして、とても心配でした。そのたびに頑張って修正しましたが、結果発表ショーの直前に、どうしても直せない歪みが生じてしまって。これでは勝つことは無理なんじゃないかと思っていました。

―Q3. ファッションの学校に進んだ理由を教えて下さい。

中学時代から建築とインテリアデザインに興味を持っていました。けれど、それにもまして縫うことや編むことなどが好きで、やりがいを感じることができたので、ファッションの道に進むことにしました。建築と比べるとファッションの方が、コツコツと努力して作った成果が早く見えるように感じます。 実用的な作品を作るだけでなく、私らしい個性を持った“ブランド”を感じてもらえる服を作りたいと思っています。ファッションは私に沢山の技術を使わせ、最大限の想像力を生かすように仕向けます。

―Q4. あなたにとって、ファッションとは? デザインとは何ですか?

ファッションは何よりも自分にぴったりのふさわしい存在と表現方法で、私の人生に無くてはならないものだと思っています。ファッションとはビジョンで、心の声を実際に見えるものに変えることができるのです。ファッションがあるからこそ私はルールに縛られず、自分のありのままでに自由に生きることができています。

―Q5. 将来の夢を聞かせてください。

日本と他の国々の伝統的な工芸文化にアプローチし、身につけるという夢と使命が私の心の中で熱く燃えていて、私に働きかけない日は1日たりともありません。知識や経験をつんでから、多くの人々に自分の知っていることと体験したことを教えてあげたいと心から思っています。少しでも誰かにインスピレーションを与え、誰かの力になりたい。そうして学んだ彼らが、自分自身の手で作った作品で生きていくことができたらどんなにいいことか! いつもそう思っています。

―Q6. また再び、このアワードにチャレンジしますか?

これからもっと自分の能力を磨き自分を成長させていきたいと思っていますので、こういったアワードに挑戦することはしばらくお休みするつもりです。

―Q7. 何か伝えたいことがありましたら、書いてください。

The most important thing to wear is a smile.

テーマは「KINTSUGI 金継ぎ」。壊れた器を金で修復する、日本の伝統的手法である金継ぎにインスパイアされたクリエーション。「金継ぎの美しさは不完全にも美を求める“わびさび”の考え方がベースにあり、この考え方は断片を繋ぐすべての作品に継承されていると思います」

ハンガーイラスト。フィッターやショースタイリストなど、初めて服を見た人にも服の詳細が伝わるように描く線画。

最終審査を前の事前フィッティグ風景。学生モデルに歩き方や立っているときのイメージなども伝えて。

最終審査会は審査員の前でプレゼンテーション

一次審査通過者は最終審査会に向けての意気込みを、インスタグラムで伝えた

表彰式ではファンさんにも分かるようにと、英語で祝辞が述べられた

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