INTERVIEW

2017 GRAND PRIX | Miki Imamura

10月18日渋谷ヒカリエにて行われた結果発表ショーで今年のグランプリに輝いたのは、軽快に光をまとうリアルクローズ。誰かの心を照らす服を作りたかったと語る彼女のクリエーションの背景をインタビュー。

大賞|今村 未来「LiGHTPiA」

―グランプリ受賞おめでとうございます。受賞した気持ちを聞かせてください。

やっと実感がわいてきました。この「Tokyo新人デザイナーファッション大賞」自体、大学2年生のときに知って、毎年応募していました。今年で、4年目ですね。他のコンテストにも応募していましたが、これだけは毎年どうしても通らなくて、どうしてだろう?!今年は本気で通る!という気持ちで、デザイン画を描きました。まず念願叶ってデザイン画が一次審査を通過して嬉しかったのと、ファッションウィークの期間中に自分の作品がランウェイで多くの人に見てもらえるというのが嬉しくて、まさか大賞までとれるなんて、とても光栄です!

―今回の作品のコンセプトについて教えてください。

テーマは「LiGHTPiA(ライトピア)」、「光の楽園」という意味です。
今年、大学院で15体のコレクションを制作しているんですが、そのテーマを考えていた時に、たまたま自分の部屋に貼ってあった好きな切抜きに光のモチーフが多く、「今こういうのがやりたいんだな」というのがぼんやりとありました。そのあと、学校でパリに研修旅行へ行った時にパレ・ド・トーキョー(現代美術館)で見た、大きいぐるぐるしたネオン管のアートがあって、それを見たときに、心に刺さるものがあったんです。自由な光の動き、落書きのように遊びのある線が、すごく自分のやりたいことと繋がるなというのがひとつ、あと学生最後のコレクション制作ということで、自分の今までのクリエーションの軸となるものをしっかり入れていきたいなと思いました。
私は4歳からクラシックバレエを習っているんですが、バレエの言葉のない世界が今年すごく表現したいことのひとつだったので、言葉がないけれど人に影響を与える力をもっている光をかけあわせて表現したいな、というのがコンセプトになっています。


パレ・ド・トーキョーで見たネオン管のアート

―確かにバレリーナのチュチュを思わせるデザインですね。テキスタイルもオリジナルで制作したと聞きました。

色の重なりを作品の中に入れていくのが好きで、一番表現しやすいのがチュールの重なりだったので、思い切り前面に出しました。メインのトレンチコートを引き立たせるために、中は軽快でスポーティなイメージに。テキスタイルは、パリで見た光のアートがグラフィティのように見えたので、落書きみたいに自分で柄を描いて、箔プリントをして、手でカットを施して、“光のレース”のように表現しました。コートの素材も発泡プリントをして、レーザーではなく手で切り抜いています。手作業も好きですし、どこを切り抜いたら綺麗か確認しながらできるので、手でやってやろう!という感じで。結構大変でした(笑)

ハンドカットワークによるテキスタイル作り

発泡プリント

―アイデアはいつもどこから?

私は自然の中にある生命力からよくインスピレーションをもらって、最初はちょっとしたところから始まります。自分が綺麗だなと思ったものから入っていき、それを服に落とし込んだらどういうものになるのかなと考えることが多い気がします。いつも色から入って、全体のぼんやりしたイメージから素材に発展し、そこからひたすら手を動かします。手を動かしているうちにアイデアが固まっていきます。

―なぜコンテストに?コンテストに挑戦することの意義、よかったことなど教えてください。

最初のきっかけは授業の一環として取り組んだこと。それから自分で積極的に色々応募するようになりました。学校だけだとその範囲で終わってしまうので、デザイナーの方や企業の方、いろんな人に見てもらい、意見をもらえるのが自分の成長につながるかなと思って。
将来は自分のブランドを持ちたいと思っているんですが、コンテストに参加する中で、自分がどういう軸でやっていくのかというのを、ひとつ終わるごとに、ここがよかった、ここがダメだったというのを繰り返し反省していくことで見えてきた部分がありました。自分は何が好きで、相手にどうしたら伝わるかじっくり考えることは、こうやって真剣に取り組んだ機会がなければ、難しかったのではないかと思います。

―今までも色々なコンテストに取り組んできていますが、今回の制作で特にこだわったことはありますか?

どんなにクリエイティブなアイデアがあっても服の基本を忘れてはいけないと感じていて、人の気持ちに寄り添える服作りをしたいなと思いました。去年まではすべて全力投球で作りこむというのが自分のスタンスとしてあったんですけど、そうすると窮屈なデザインになってしまうじゃないですか。あえてベーシックな服にどんな違和感を加えたら、リアリティを保ちつつ面白い服になるのかなと思って、ある意味、チカラを抜いて作ったので、ちょっと怖かった。どのくらいデザインを引けばいいのか、このバランスで大丈夫なのか、リアルクローズ過ぎないかなとか。今までのコンテストは素材を作りこむものが評価されたりしますよね?でもやっぱり今自分が作りたいものを作ることが相手にも伝わるんだと、審査員講評でもああいう風に評価されると思わなかったので驚きました。

―ファッションの学校に進学した理由を教えてください。

もともとはバレリーナになりたかったんです。高校生までバレエに打ち込んでいたんですが、自分にはバレエの道は無理だなと。幼い頃から絵を描くことや工作が好きでしたし、自分で服を作ってみたくて、ファッションの大学に進学しました。踊ることが好きだったので、踊っているときの心の解放感だったりとか、自由に体で表現することとか、哲学的な部分でファッションと一緒なんだと思います。自分のイメージを服に落とし込むことが自分に合っていたのかな。見ていて心が躍るものが好きだし、それはファッションで表現するべきものだと思います。大賞をいただいて、これから自信をもって制作出来るなと思っています。学校はもうすぐ卒業なので、やりきるしかないですね。

―今後の目標は?

自分の得意な部分は舞台衣装的な、ぱっと見て強い服かもしれないので、それもやりつつ、自分の思うリアリティを求めた服作りを、身に着ける人たちの心の底からエネルギーがあふれてくるような、心躍るクリエーションを提案し続けたいです。 今、服は売れないと言われているけど、信じ続けてやっていきたいと思います。

田山 淳朗 審査員長の講評より

受賞をしたみなさん、おめでとうございます。近頃、リアルクローズという言葉をよく耳にしますが、クリエイティビティにあふれたリアルクローズを私たちは望んでいます。グランプリを取られた作品は、インスピレーション源をうまくクリエーションなさって、綺麗に取り入れられたと思います。2010年代ももうすぐ終わり、2020年代を自分の時代にするために、みなさん、一生懸命勉強し、素晴らしい服を作って世界や日本をリードできるように頑張ってください。

> 優秀賞&秀作賞インタビュー前半

> 秀作賞インタビュー後半

TOKYO 新人デザイナーファッション大賞 アマチュア部門

TOKYO新人デザイナーファッション大賞に
関する概要と応募要項はこちら

INSTAGRAM

トップへ