INTERVIEW

2018 WORKMANSHIP PRIZE | Sheng Tsai

秀作賞受賞者へ、作品制作やファッションへの思いをインタビュー。
1人目は、台湾からのファイナリスト、ツァイさん。

秀作賞|ツァイ シェン

―秀作賞受賞おめでとうございます!受賞した気持ちを聞かせてください。

この度は、受賞できて、とても嬉しくて幸運だと思っています。以前もこのコンテストに応募しましたが、3回目でついに入選しました。作品が選ばれた上、審査員に認めて頂き、非常に感謝しています。「日本大好きです!」

―今回の作品のテーマは「Illustration」でした。このデザインになるまでの経緯とコンセプトを教えてください。

デザインコンセプトは“スケッチ風のタッチと画用紙”です。生地は紙に、オーガンザはトレーシングペーパーに見立ててデザインしました。コピックのカラーマーカー、ミリペン、色鉛筆、ボールペンで手描きした図案をスキャンして、デジタルプリントでオリジナル生地を作りました。その生地とオーガンザを合わせて細長く裁断し、ロックミシンで端を処理しました。その斜めの縫い目で、手描きのようなタッチを表現しています。そして、それらの生地を編み合せました。その上にアクリルウール混紡の糸束を置くことで、重ね塗りをしたように見せ、糸端の始末をしないままにすることで、絵を描いている時の自然なタッチを表現しています。変形したラグラン袖、パンツや上着の裾に生地の耳を残し、余った縫い代を四角い紙のようにしました。身頃は折れた紙をコンセプトにして作りました。マスクは、モデルの顔を肖像画のようにしたくて自分のサインと完成した年も入れました。完成した日は5月24日で、パンツに書いています。


シーチングでの試作

パターンを組み合わせる過程

―制作で大変だったこと、工夫したことなどを教えてください。

日常生活でよく使われている紙が、折られた時の視覚効果を参考にしました。
生地を細長く裁断したり、加工したり、パターンに沿って編み合せしたりして、結構時間がかかりました。


編み合せた生地のディテール

最初のサンプル

このサンプルは最初に試作したものです。オーガンザに千鳥縫いをし、手描きのようなタッチとインクが紙に浸透する様子を表現してみました。とても気に入りましたが、服全体をオーガンザで作ると、少しつまらなくなり、イメージと違ってしまいました。そのため、一部だけに使うことにしました。

千鳥縫いは裾の部分に使い、固定と装飾の効果を。

一番の課題は肩の部分でした。最初、上図のように、肩の部分は四角い紙のように立ってほしかったのですが、生地が柔らかいせいで倒れてしまいました。けれど、それはそれで紙が折れたように見えたので、結局倒れたままにしました。

―ファッションを学んでいる理由を教えてください。

もともと美術とデザインを勉強していました。台湾の教育システムはあまり柔軟性がないため、一生懸命頑張らないと進学できません。勉強が苦手ですし、得意なのは絵だけです。ファッションデザインにとても興味を持っていたのと、受験科目は絵画だけなので出願しました。

―好きなデザイナーとその理由を教えてください。

好きなデザイナーはミウッチャ・プラダです。「中産階級が考える美より、醜さはずっと面白い」と彼女が言いました。確かに、ファッション業界には凄腕デザイナーが星の数ほどいて、皆美しいものを作っています。「醜さからオリジナリティを生み出す」という逆思考は素晴らしいと思います。
好きなファッションアイコンはシンディ・ローパーです。1980年代のアメリカの人気歌手で、ファッションアイコンの一人でした。彼女は性別、肌色、人種、宗教に関わらず、人は自由かつ平等に生きていくことを主張しています。彼女の専攻は芸術で、ファッションにもこだわっていました。奇抜な髪型やメイク、カラフルなコーディネートをしていたシンディ・ローパーは、80年代前衛の代表者です。彼女の人やモノに関する価値観、また、自分をアピールする勇気を尊敬しています。

―10年後のファッションに対するあなたのビジョンを教えてください。

ファッション産業が完全に機械化にしないように願っています。手仕事などの伝統技術の伝承を重視すべきです。ファストファッションを買うより、買ったものと買った理由について理解することが大事です。安さや便利さより、素材や制作の過程などについて確認してから購入すべきではないかと思います。流行に盲従せず、しっかり自分の意見を持ちながらスタイルやセンスを決めるべきだと思います。

―今後の目標を教えてください。

織物にとても興味を持っています。今台湾のファッション業界では、ニット専門の人材が不足しており、ファッションを勉強してからずっと編むことに専念しています。将来、織る技法についても勉強したいと思います。両方上手になれるように頑張りたいです。将来、世界中の人に自分の織物デザインを見せたいと思います。

―今後このコンテストを目指す人へのメッセージをお願いします。

競争の激しいファッション業界だからこそ、自分をアピールするあらゆる機会をつかまえてください。たとえ失敗しても、来年も再来年も頑張れば、いつか成功する日がきます。自分は3回目でようやく選ばれました。根気よく続け、ファッションへの情熱を持っていれば、いつか成功するでしょう。頑張ってください。

TOKYO 新人デザイナーファッション大賞 アマチュア部門

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